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LOST MEMORIES CⅩⅧ

扉が、枠が、たくさん並んでいる。それぞれ刻み込まれた紋様や柄が違うようだった。下にはプレートがあり、種族名が書かれている。どの種族のレプリカかということだろう。
母の言うように、少女はその扉を見たことはない。
ウィザードの文字を見つけた。
「この向こう側に、お兄ちゃんがいる……。」
もちろん、向こう側には壁しか見えない。複製だと、偽物であり、本当は人間界に繋がっていないことは、少女は理解している。
「君のお兄さんも、人間界に行ったの?」
少女は驚いて、ばっと振り返る。そこにいたのは、同い年くらいの黒髪に黒い瞳の少年だった。

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