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LOST MEMORIES CⅡⅩⅠ

何か呟かれた。
「ママ?」
「パプリにとっては初めてのお友だちだったかもしれないわね。」
元の優しい微笑みだ。
「エルーナもね、お姉ちゃんに会いに来たって言ってたの!エルーナにもまた会いたいなあ……!」
神殿を出る前にマフラーを締め直される少女は、にこにことしている。困ったように微笑む母には気付かない。
「きっとまた会えるわ。」

ふわっと締め直されたときには、浮いている,という感覚しかなかった。

否、正しくは宙を舞っていた。飛ばされていた。
下が降り積もった雪だけだったということと、神殿の中央から離れていたところにいたということが幸いだった。
小さいからだに激痛が走る。
何が、起こったのだろうか。

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