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LOST MEMORIES CⅡⅩⅦ

混乱の渦を逆走するふたりの子ども。止まぬ悲鳴の中、押し潰されるようになりながらも、先程飛ばされたその場所、神殿の入り口へと到着する。
神殿からもう人は出てこないようであった。しかし、中からは確かに物音が聞こえる。叫び声か悲鳴か、そのどちらともとれるような声も。
ふたりのすぐ側で、柱が崩れた。
顔を見合わせて頷き合い、中へ足を進める。音のする方向へ行く。神殿の崩壊する音と、はっきりとは聞こえない止まぬ怒声が道標となる。
どうやら中央で事は起こっているようだった。
「あれだ、たぶん。」
ふたりは身を潜める。少年が指をさす先には、人影が見える。
「お兄ちゃんはいる?パパは?」
少年は首を振る。わからない、の意だ。
「たぶんいると思うけど。」
さっと青ざめる少女にフォローを入れる。
「やめろ東雲!ここで暴れたって何にもならん!」
誰か大人の声。もしかしたら少女の父であったかもしれないし、少年の父であったかもしれないが、判別できるそれではなかった。
また、何かが壊れた音がする。

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