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LOST MEMORIES CⅢⅩ

「まってよ!」
反論するのはパプリエールだ。
「なにが起こっているの!?パパもお兄ちゃんもなにしているの!?またパプリのことおいていくの!?」
彼は抱き締める。ほんの一瞬、強く抱き締めた。パプリエールの体が強張ったのを感じ、すぐに体を離す。
「ここは危ない。とりあえずすぐに出てください。」
「お兄ちゃ「パプリ。」
語気を強められ、パプリエールは目を伏せた。こうしている間にも、神殿の崩れる音は止まない。彼と同じように、中央から弾き出された者もいるだろう。
パプリエールが何も言わなくなったのを確認し、頭をくしゃっと撫でた。そして彼は彼女を見上げる。
「ジュリア、ふたりのことは任せます。」
彼女,ジュリアは納得のいかない顔をしている。
「エレンじゃなくていいの?」
「こんな状態なら隠れても無駄ですし。」
「ジュリアの性格知ってるでしょ?」
「今は性格は求めてませんから。」
彼は立ち上がる。一瞬痛みで顔をしかめた。

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