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無題

前を向くちからは
秋風がぜんぶ持ってっちゃったから
たんすの奥から引っ張り出した
分厚い毛布にくるまって
眠るように逃げる

こんなわたしを笑うあなたが
受けとめた風のつめたさに震えて
泣いていたらいいのに なんて
願いばかりが届かなくて
あなたのかなしみとよろこびに
わたしを使わないで と
叫んでいる自分の顔を
どこかでずっと見ていた

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