前を向くちからは 秋風がぜんぶ持ってっちゃったから たんすの奥から引っ張り出した 分厚い毛布にくるまって 眠るように逃げる こんなわたしを笑うあなたが 受けとめた風のつめたさに震えて 泣いていたらいいのに なんて 願いばかりが届かなくて あなたのかなしみとよろこびに わたしを使わないで と 叫んでいる自分の顔を どこかでずっと見ていた