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LOST MEMORIES CⅢⅩⅧ

「レイが抜けてもあっちは大丈夫?」
「前が破られたらやばい。
から、はやく済ませよう。」
「了解。」
ジュリアが再びふたりを抱く。
ジュリアは低空飛行に切り替えた。
「ごめんな、ジュリ。手伝ってやれなくて。
俺に守る方の力があれば……。」
走るなかを苦しそうに言うレイ。走ることが苦しいということではないのは確かで。
ジュリアはちらっと横目で見て返す。
「ジュリアこそごめん。もっと上手く立ち回れたら……。」
同じようにジュリアが言った後、ふたりが一瞬目を交わしあったのをパプリエールは見た。そして揃って吹き出し、
「たられば話は?」
「意味がない!」
まるで合言葉のようなそのやり取りに、ふたりの絆が垣間見える。否、ふたりの、ではない。
「こんなところでもエレンちゃんがでてくるとはな。」
「だって、委員長だもん。」
聞いていれば、色んな名前が出てくる。今戦っている彼らのことだろうか。
「あそこ!」
不意に声をあげるエルーナ。
塞がれた入り口。
「穴、あけられる?」
ジュリアの問いに、
「もちろん。」
不適な笑みを浮かべ、ひとりギアをあげた。

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