僕は幼いころにはさ
あの空の雲でさえ手を伸ばせば
掴むことが出来ると思ってたんだ。
テレビの中のあの子にだって
なりたいと願えば
なることが出来ると思ってたんだ。
時の流れに引っ張られて
僕は大人になったけれど。
大した成長もしてないくせに
雲は掴めないこと、
テレビの中のあの子は実在しないことを
知ってしまって。
諦めを覚えてしまった。
だけれど。
掴めないものを掴もうとすることが
叶わないことを叶えようとすることが
どれほど格好いいものかも
わかってきたんだ。
その過程で転んでも泥まみれでも。
どんなに遠回りをしても。
何故だか格好いい。
生きてるって感じがするよな
ってなんだか思うんだ。