「……。」
聴力に難はないはずだけれど。
「ごめん、チャールズ。たぶん、聞き間違えてしまったと思うの。なんて?」
チャールズはねめつけて、もう一度口を開く。
「2日、目を覚まさなかったんです、お嬢さまは。」
どうやら聞き間違いではなかったらしい。それにしても、2日という時間が流れていたとは。
「よく、お医者さまに診てもらおうという思考にならなかったね。」
何もかわりないのだ。目を覚まして、そういえば保健室にいたよなということを思い出さなければ、深夜に目が覚めてしまったことと何一つ変わらないし、違和感もない。
心配されたいなんてさらさら思わないが、変に過保護なチャールズがこの状態をそのままにしておくとも考えられず。
どこから聞けばよいかわからず、思ったことがそのまま口をついて出てきてしまったのは仕方ないとも思う。
チャールズが何も言わなければ、自分の着替えをまさかチャールズがやったのかと聞こうかなんて呑気に思っていると、
「ウルフの魔力にあてられた体調不良を、どうお医者さまに説明するんです?」
と返される。確かに。
じとっと向けられたその目を見つめていると、チャールズは深い深い、それはもうマリアナ海溝より深い溜め息をつき、再びベッドの、瑛瑠にかけられた布団へと顔を埋めた。
魔界にもマリアナ海溝があるのか...?(愚問)
みーちゃん》
嬉しいわっ…!
うん、そこらへんは現実的っていうか、人間界慣れしてるよね、チャールズさん(笑)
ここほんとは、よく病院に連れていかなかったねって台詞だったんだけど、王国の姫さまが病院いくかって笑 きっと専属のお医者様だよなーって思って、何気書き換えていた部分でした(笑)
めめんとさん》
はい、ではここでちょっとだけご説明。
これは所謂神視点なんですね。限りなく瑛瑠ちゃんに寄せてますし、ところどころ瑛瑠ちゃんの心の声というか呟きも出てきますが、あくまで神視点。つまり、瑛瑠ちゃんが語っているわけでもなければチャールズさんが語っているわけでもなく。すべてを知り、その上で語る神視点はまあ結構なんでもありなわけで。
マリアナ海溝は、人間界にあります。よね。笑
魔界にあるという記述は出てきておりませんので、そこらへんはご想像にお任せしますが、語り手はマリアナ海溝を知っているようです。登場人物の気持ちや状況を好き勝手知ることができるのが、私がとっている書き方でございます。
と、いうわけで!これからも、固有名詞がばんばん出てくる可能性が否めないので、ここで説明させてもらいました。
余談ですが、神視点をとる芥川龍之介の『羅生門』は最後をもやっとさせているんですよね。まあ、『羅生門』だけではないですが…。神(ここでは第三者って表した方がいいのかな…?)でさえわからない(誰も知らないにどこまでの含みがあるかは置いておいて)という終わりが、すごく魅力的で。だからこそ個人的に、『羅生門』のつづきを考えようなどという授業はナンセンスだと思うのですが…まあ、はい。笑
長々とすみません。つまるところ、マリアナ海溝は人間界には存在しています。神さまは(たぶん)何でも知っています。
羅生門の続きは僕もナンセンスやと思います。
思いの外長かった...w
めめんとさん》
ごめんなさい(笑)
私は、一言えばいいことを十言わなければ気が済まない性格と言いますか、誤解を招く言い回しを避けたいがためにくどくどと説明してしまう質なので(もう知られてる…?笑)、どうかまた始まったよと思っていただければ…笑