2

LOST MEMORIES CⅣⅩⅥ

「正直、ここまでとは思っていませんでした。完全に私の落ち度です、すみません。」
顔はうずめたまま、彼にしては珍しく聞こえにくい声で話す。上半身は起こしたまま、黙って耳を傾けた。決してチャールズのせいではないのだが、とりあえずは。
「その指輪……例のヴァンパイアの彼ですか?」
「ええ、随身具ですって。彼、成人していたみたい。」
しばし沈黙。
「彼はどうしたんでしょうか。」
ぽつりと、心許ない声でチャールズは呟く。
瑛瑠は、もしかしたら自分は想像以上にチャールズに心配をかけたのだろうかと思い至る。ここまで不安げなのはみたことがない。
チャールズの呟きはもっともだ。同じ特殊型として、ウルフと相性が悪いことはわかりきっている。
“僕は大丈夫”と、たしかそんなことを言っていたか。あそこまで言い切れるのは、何か策があるからだろうと思っていたが、それが何なのかは思いつかない。
「まったく、自分が情けないです。」
吐き捨てるように言われ、瑛瑠は閉口する。
え、どうしよう。なぜ。学校にいたし、仕方のないことだ。
そう、声をかけようと思っていた瑛瑠が、あまりにも子供っぽい返答で呆れるまで、あと5秒。

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。

  • みーちゃん》
    えへへ、意外とね(笑)
    気付いてもらえれば嬉しいし、全然気付かなかったっていうのもまた嬉しい。

    うん、そういうことでいいと思う。笑
    あんまり意識してないんだけど、書きやすいんだよね、第三者と主人公をちょっと織り交ぜて書くの。前までは、完全に主人公視点で書いていたのだけれど。

    えー嬉しいよー。なんだかすごく変な文章かきそうだ。笑
    作文…何をテーマに書こうねえ(笑)