極彩色の夜に灰色人間は似合わない。 部屋の窓から顔を出して 夜風の生暖かさを頬に感じて イヤホンが流し込む 不倫を叩かれた某ミュージシャンの 嫌味な言葉を脳の直前で塞き止めて 妙に心地良いその音だけを 鼻息に混ぜて夜風にのせる 爆音に掻き消されたであろうその鼻唄を 頭の中でながし直す