開演。
生放送教室で審査を通過した組数が発表されたときの放送音声がスタジオコーストに響き渡る。
オープニングムービー。
落ち込むバンドマン、ぐしゃぐしゃにしたエントリーシートをバックに、こんな文字が映し出される。
≪3067-8= 駄目だった?≫
≪3067-8= 才能が無かった?≫
映像はファイナリストの3次審査ライブに切り替わる。
≪8= 残った理由は 何だ?≫
この答えを確認したくて、ひとつひとつのファイナリストのライブを食い入るように観た。
どのアーティストもマイクを突き抜けて、アンプを突き抜けて、スピーカーを突き抜けて本気でグランプリを獲りに行く熱量が伝わってきた。
その身が尽きるくらいに熱量を放つ者。静かに、でも確実に闘志を燃やす者。八者八様。すべてオーディエンスまで伝わった。
そして最後に現れたMy Hair is Bad先生。
「閃光ライオットでファイナルに立つことができなかった」という過去。
閃光エントリー時代の悔しさ、そして「どうだ、見返してやったぞ」とばかりの魂がこもった演奏。 圧倒。 ずっと圧倒。
そして、一番突き刺さった椎木先生のこの言葉。
「すばらしい種も水をやりすぎれば腐る。育て方で腐る。育てられるんじゃない、自分から芽を出せ。」
裏を返せば 思うような結果にならなかった、それでも自らが、自らの力で、のし上がってくれば 大逆転勝利する。そういう風に思えた。
オープニングの未確認な問いに対する華麗な答えを、あの日立てなかったファイナルステージの上で、ゲストアクトとして、今のマイヘア先生自身が明確に証明した。
強かった。
あんなライブ観たこと無かった。
確認した。