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LOST MEMORIES CⅣⅩⅧ

透き通るような白を、瑛瑠はほんの少し弄ぶ。そして、チャールズもまた、静かに弄ばれていた。
あなたは私のお兄ちゃんなの?人間界へ何しに行っていたの?プロジェクトって何?あの狐は何なの?ジュリアさんやレイさんは仲間?みんな無事だったの?
――どうして隠しているの?
一度考え始めると、聞きたいことは山のように出てくる。
そしてふと引っ掛かりを覚えてそれが何なのか繋がったとき、思わずチャールズの頭を叩く。
「ねえチャールズ!学校は!?」
静かに毛先を弄ばれていたチャールズは、いきなり頭を叩かれ、宇宙人にでも会ったかのような顔をする。瑛瑠に容赦なく叩かれた部分をおさえながらも、
「登校日は今日で今週最後です。お嬢さまが眠っていた二日間は、欠席扱いになっていますよ。」
と丁寧に答えてくれる。
よかった、まだ休日ではない。英人と話さなければいけないことが増えた。
英人の指輪が、なんとなく心強い。きっと、学校へ行っても大丈夫だろう。
そんなことを瑛瑠が考えているのを、まるで見透かしたかのように、チャールズが手首を掴んで言う。
「まさかお嬢さま、学校へ行くおつもりですか?」
「……まさかチャールズさん、止めるおつもりですか。」
チャールズは、綺麗なその顔を歪ませた。チャールズの必殺技、質問には質問で返すを盛大ブーメラン。
なんだかチャールズが過保護になっている気がすると、なんともなしに考えた。

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