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テレビがつまらないと言われるようになって久しい。これは単に予算だけの問題ではない。

 いまのメディアはテレビにしても動画にしても映画にしてもコンセプチュアルだ。だがおもしろくない。いや、まあまあおもしろいことはおもしろいのだが、規制、自粛のせいでカタルシスがないのだ。つまりすっきりしない。もちろん意図的にもやもやを残し、次につなげようとしているというのもあるのだろう。モヤモヤなんとかいう番組が何年も続く理由がよくわかる。あれはカタルシスがない、前戯だけでできているものなのだ。もっとも配信のほうでカタルシスを作り始めたようだが。
 一方で過激なアトラクション、アブノーマルな風俗は増加している。感情の解放を寸止めにされている社会のひずみの表出であろう。
 自分を出すことがタブーになっている社会だからこそ感情を素直に出し合える関係が重要になってくるわけだが、そうした関係性を築ける幸運に恵まれる人はそうはいない、と、カタルシスのないままこの文章は終わる。

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