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コンビニのおにぎりを剥くのが苦手だった
寒空の下
震える手を抑えて
君がそっと剥いてくれた

ちょうど一年
ガサガサに乾燥した指に走った
一筋の皹は
君の頬を張ったあの日から

キエナイキエナイ

その目を僕は
いつか忘れてしまうのだろうか
その時が僕の
死に際ならいいな

ケシタクナイ

哀愁なんて
そんな仰々しいものじゃない
黄昏を眺めてるからって
黄昏れてる訳でもない

たったひとつの
ほんの小さな
その欠落を
埋めずに
ずっと
僕は

あの日からずっと
僕は食べられない
剥いてくれる人を
僕は手放したから

コンビニのおにぎりを剥くのが苦手だ

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