きのこ帝国の「金木犀の夜」を聴くと、
2年前のあの子のことをおもいだす
2年前に使っていたスマホの電源を入れた
その子とのメールを読み返した
みたら落ち込むってわかっていたけど
2年前の夏は、ほとんど毎日メールしてて、電話もしてて
夏休み明けからその子もがっこうに行けなくなってきて、メールが来るのも減って
いつもテンションの高いあの子が、
10月に、不安なきもちを教えてくれた
いまならその子のきもちがわかるのに、
わたしはひとより成長がおそいから、ぜんぜんわかれなくて、ただただ励ましたりして
長文のメールをおくった
メールはぜんぜんしなくなった
冬、わたしたちはがっこうをやめた
春、その子はちがうがっこうに入学した
スマホを買い替えた
LINEを交換した
春、いっしょにあそんだ
夏、いっしょにがっこうの文化祭にいった
秋、LINEをしてもあんまり来なくなった
冬、LINEでその子の誕生日を祝って、
それきり
あのがっこうにも、金木犀があった
甘い香りが、この季節が、
いまいましくおもいださせる
あの子はきっと、わたしのことなんて、おもいだしもしないだろうけど