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LOST MEMORIES CⅧⅩ

「ただいま帰りました。」
「はい、お帰りなさい。」
チャールズにおかえりと微笑まれたのはちょっとぶりだった。いつにもまして華々しい。
「どうしてこうも私の周りは偏差値が高いんでしょうね。」
手を洗い、着替え、椅子に座り一言目。察したように苦笑を向けるチャールズは、大人の余裕というものだろうか。
今日の紅茶はアッサムティー。そして、一緒に置かれているのはストロープワッフルだ。
「今日の紅茶は味が濃いので、ぜひ一緒に。一応ミルクも置いておきますね。」
「……やっぱり高いと思うの。」
ぽとりと言葉を落とし、しかし隣のお菓子を見て目を輝かせる。その様子に、チャールズは目を細め、微笑んだ。
「キャラメルが溶けるまで、今日あったことでもお話ししてください。」
何かを感じ取ってか否か、そんなことを言う。省いていい部分と省きたい部分を考えて良い淀む。
その結果。
「明日、ヴァンパイアの方――霧英人さんとおっしゃるのだけれど、その方と少し出掛けてきます。」

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