彼女は言った
いつかは終わってしまうのね
終わるから始まりがあるなんて言わないで
そんなありきたりな言葉で
私を慰めようとしないで、と
だから僕は言った
終わりを決めるのは
君自身だよ
君が諦めの悪い人間で
まだ終わってない、なんて
スポーツ漫画みたいなことを言ってれば
少なくとももう少しだけは
終わりが来るのも先だったかもね
すると彼女は言った
下らないね
僕が返す
うんくだらない
でもこの世界は
どっからどうみても
下らないから
彼女は納得したように
それもそうね
でもそれって
なんの慰めにもなってないから
僕は小さく笑った
テーブルの上のコーヒーが
小さく揺れた
九月も末。