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LOST MEMORIES CⅧⅩⅠ

何故そこを最初にしたのかと問いたい。
瑛瑠の中では、あとになって煩く言われたくないと真っ先に思い付いたものが口をついて出てしまっただけなので深い意味はこれっぽっちもなく、むしろ共有者だという報告のつもりだったのだが。
「デートですか?」
張り付いた笑顔で問われる周りの空気は氷点下。何やら不穏なこの空気とは。
「いいえ。お話をしに。」
しかし、特に探りを入れるわけでもなく小さくため息をついたチャールズは、そうですかと一言。
「何か問題でも?」
このときチャールズが丁寧に問題を文字に起こして突き付けたいと思って留まったことを瑛瑠は知らない。
イニシエーションに関して、瑛瑠に全権を委任したことは、記憶に新しいのだ。
「いえ、お嬢さまは罪作りな方だと思っただけです。」
珍しくもチャールズはカップの上で温めていたワッフルに口をつける。苦い気持ちは甘さで相殺してしまおうというわけだ。
案の定。
「チャールズが何か食べるなんて、珍しいこともあるのね。」
エネルギーを必要としない超生物か何かを見るようにして、瑛瑠も手を伸ばす。訳もわからず罪作りなどと言ったお返しだ。

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  • みーちゃん》
    私も大好きなの…紅茶を描くにあたって必ず入れたいと思っていたワッフル。まさかご存知とは。嬉しい…。あれを初めて食べたときの感動は忘れられないのです。

    推し(笑)
    ありがたいお話だ。望くんを好きといってくれるのも嬉しい。本当に彼は元々めっちゃ嫌な役だったから…笑
    次は英人くんのターンですね(笑)