爪先ではじくアルタイルが やけに瞬く夜だった ねがいごとぜんぶ のみほして 星空のなかをおよいでいく 言葉はただ泡になるばかりで からめた指をすりぬけていった なみだでうすめた水彩の絵具が きみの肺臓にみちて こぼれる ふかい海で生きれないさかな かさねた群青 とどかないひかり ないだ満月がうつす夏の日 水底でゆれる 永久の徒花 神さえしらないその景色を きみならきれいに描くんだろう カラフルな手をひらりと振って いつか見せるね、ときみは笑った