瞳が見えた。まっ黒な。 まっ黒で、それで光がいくつも浮いていた。 一瞬だけ目が合ったときのこと。 君が笑顔だったってことは覚えている。 くしゃっと目を細めて。僕には眩しすぎて。 だから目を逸らしてしまった。 僕はその時のことを、そんなことしか覚えていない。 でもそれでいい。その笑顔が好きだ。 心臓だけじゃない、息でさえ止まってしまう。 そんな笑顔が。 もう見られない、きみの笑顔が。