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LOST MEMORIES CⅨⅩⅤ

「……結局困らせてるかな。」
最後、小さく問いかけると、チャールズは困ったように微笑った。
「細かい説明のないこちら側に問題はあるのですが……そうですね。」
ちょっとだけ、困ってますと言う。
「私はどうやら、女性にこういう顔をさせるのが得意らしい。」
すり、と頬に触れてくるチャールズの手。その手は少しひんやりとしていて。
そして、彼の砕けた言い方が気になった。
「“こういう顔”……?」
指事語の指す内容がわからず、問いかけてしまう。
「男として、女性に絶対にさせてはいけない顔。」
儚げに哀しげに、それに加えて名状しがたい色を目に含んで言う。
手を引っ込めたチャールズは、
「ある女性に言われたんですよね、女にそんな顔させるなんて最低、と。」

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