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LOST MEMORIES CⅨⅩⅧ

また謎が深まっただけだ。滅多なことでこの言葉は使いたくないが、絶対、正真正銘、あればチャールズである。
その微笑みに触発され、無性に腹が立った瑛瑠は、おへそでお茶が今まさに沸いている状態で質問攻めだ。
「じゃあどうして私はお兄ちゃんと呼んでいたの!?」
「どうしてあなたは私をパプリと呼んでいたの!?」
「お母さまだってお兄ちゃんと読んでいたわ!!」
「あのチャールズは誰!?」
「あなたは誰なの!!」
「私は誰!!」
はいはい落ち着いてくださいと宥めるチャールズは、ぐずる子供をあやすママだ。ホットミルクを加えてくれる。そしてスプーンで蜂蜜を掬ってかき混ぜるまでの流れる所作で、瑛瑠はいとも簡単にあやされてしまった。
「そもそも、私とお嬢さまでは似ても似つかないでしょうに。」
空気が浮上したため、瑛瑠も軽口を叩く。
「そうね、どうせ私はチャールズの顔の足元にも及びませんわ。」
ありがとうとは伝え、口許に運ぶ。拗ねた口調にチャールズは苦笑いだ。そもそも髪色も眼も違いすぎますよと言われる。
そう言われて思い出す両親の顔。基本瑛瑠は父似である。そういえば、母は白髪で碧眼であった。髪と眼の色が違うと、やはり抱く印象は変わるもので。
そうしていきついた先は、母とチャールズが似ているということ。
母を疑うわけではないが――
「チャールズ。あなた、隠し子?」

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