一人で飲む紅茶は
あまりにも空虚で
温度が無い
カップに立つ
白い湯気のように
君は消えてしまったんだ
君が消えても
紅茶は冷める一方で
もう一度
そう言って
何度試したって
君は現れなかった
ただただ虚しく
冷めていくだけで
何度試したって
現れない
そんなこと
本当は
とうの昔に分かっていたんだ
もう一度
そう言いながら
やっぱり紅茶は冷めていく
湯気はどこかへ消えてしまう
湯気に甘い幻想を見るためにさ
今日も紅茶を淹れないか
ミルクにしようか
レモンにしようか
それとも……
いや、
何も入れたくない