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 朝、光が解けていく。糸が絡みあい僕の憂鬱はどこに行く。自転車のタイヤに踏まれた草木さえ泣いていたのに薄い涙が綺麗なのに僕は泣くこともできないで唇の先がひきつっている。ただ疲れて疲れて疲れて疲れて眠ってしまいたかったから昨日はそのまま寝てしまった。昨日食べたものが歯の奥にまだ残っているんだ、昨日かいた汗が髪の奥にまだ濡れているんだ、昨日僕を隠すために塗りたくった香りのする油が肌の奥に球になって留まっているんだ。灯りを落とした安らかな眠りはもう僕にはこないのかもしれない。それなのにどうして朝はこんなにきれいで空はこんなにきれいで僕はうつむいて歩くことすらできないで街をたゆたい排気ガスを肺に渦巻いている。君に会いたいよ、耳から歌を流しこんで僕の悲しみをかさ増しして、あふれたものは透明ではなく、もう一回寝たいんだけどそれには僕の身体は汚れすぎていた。苦しい叫び声、喉の奥の小石をフロントガラスに投げて、緑の破片は鋭利だろうか。肌に傷を立てられるか。助けて!って言ってる人に手を差し伸べてなんでこんなに手が短いのって泣き崩れてみんな黒すぎる辛すぎる線に沈んで僕は叫ぶ、叫ぶってどうすればいいんだ?声って何。
 届くわけはなかった、裸足でアスファルトを歩くほどの勇気もなかった。続きのことばを、僕らに続きのことばをください。この先が欲しい。ここで終わりじゃないはずなんだ。まだある、まだある、まだある、まだある、深く深くに手を伸ばして戻ってこられなくなったひと、いつか僕が迎えに行ってあげるからそのまま行っていいよ。青い海の底から見あげた光の糸の呼吸が乱れる、痛いほどの切なさに耳を澄ました。今も見ているその風景だ、心臓の脈を削るような美しさを、僕は万年愛していたい。綺麗な涙はもう僕には残っていないのかもしれない、それでも、それでも、それでも、続きが聴こえない

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