烏が飛んだ。黒い羽を落として。 新聞を配るバイクの音が静かな世界に少し響く。 君は仕事に。 脱ぎ散らかした下着とベットに甘い香りを残して カーテンの隙間からこぼれる陽。 1人。慣れた手つきで煙草に火をつける。僕。 烏は戻る。家賃三万五千の愛の巣に。