学校が終わり家に帰ると淡々と道場に行く準備を済ます。
母が運転する車で二十分かけて道場に行く。
練習時間は週五で午後六時から九時までの三時間
そんな毎日が続きかれこれ二年が経った。
道場の戸はいつも開いてある。
ガラッと僕が戸を開けると
『だれだれだれ⁉︎おっ良太郎じゃん今日の組手俺とやろーぜ!』
と音に気づき駆け寄って来たのは
ここの道場の師範の孫にあたる僕より一学年歳下のくせに少し生意気な赤井桃太郎。通称モモ。
ここは隣町だから『ヒーロー』ってあだ名で僕を呼ぶ奴は居ない。
モモは幼稚園の頃から空手をやってる。
段級位は二級の茶帯。ちなみに僕は四級の緑帯。
生意気だ。
おう。と適当に返事を済ました僕は荷物を置きにロッカールームへ。
『おはよ。今日もはやいねっ』
ロッカールームで声をかけてきたのはモモの姉。
赤井誉。通称ほうちゃん段級位は初段の黒帯。
綺麗な瞳で優しい性格で正義感が強くてたくましくて凄く可憐な同い年の小六の女の子。
僕の初恋の人。
『お、おぅ。』