冷えた夜風。
左手で星を結び、
右手にビール。
嫌な思いをぐるぐると
流し去ってしまう苦味が
今日は役に立たない。
誰かを救いたいなんて
たいそうなものではない。
誰かを笑わせてあげたいなんて
自己満に浸りたいわけではない。
ただときに、
なにも変えられなかった
そんな自分の無力さが
そんな言葉の軽さが
無性に腹が立つだけだ。
背中に積もる缶の数だけ
僕は世界を
君を
壊したくなるよ。
二十代も半ばになってようやくビールの味が少しわかるようになってきた気がするよ…
床に積み上げたアルミ缶が、ひらいたままのプルタブで少しずつ傾いていつか倒れるように、ぐるぐる。ぐらぐら。なにもできなかった、ぼくも一緒に呑ませてくれる?
なにかを変えられることなんて、ほんのちょっぴりだけ。
でも、本気でやった分
できないってわかってても悔しいんだよね。
キミとは積もる話もありそうだし
古株同士
杯をかわそうじゃないか。