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LOST MEMORIES ⅡCⅩⅧ

「君、自分の言ったことの意味わかっているのか?」
追加注文したブルーベリータルトを目の前に、英人はそんなことを聞いてくる。キラキラと宝石のような紫は、彼の黒によく映えていた。
デート、といってもこの喫茶店を離れるつもりはなく、堅い話抜きで談笑しようということなのだが。
「ええ、わかっていますよ。
付き人の反応が面白いことになりそうなので、名義上、デートです。」
そんな瑛瑠が注文したのは、ラズベリータルト。英人のがアメジストなら、こちらはルビーである。
英人は苦笑して、付き人も苦労するだろうななんて言うからたまったものじゃない。
「チャールズは、私よりもタチが悪いです。全てにおいて彼の方が上手です。」
自分もタチが悪いと文法上認めてしまったことになるのだが、多少の自覚はあるのでここは素直になってみる。
そんな彼女は、タルトを口に入れ、目を輝かせた。
「甘酸っぱくて、とても美味しいです!」
英人も自分のタルトを食べ頷く。
そして、あ。と言葉を溢した。
「どうしました?」
瑛瑠は反射的に身構える――うちにいる付き人と同じ顔をしている。
「瑛瑠、さっきデートって言ったか?」
嫌な予感がする。

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  • パプちゃんもパプちゃんならキリちゃんもキリちゃんやで。ようやるわ二人とも。これは久々に面白そうな展開が(少し前にかなりニヤついていたことをもう忘れている)

    ロスメモファミリーに早めのご連絡を。来週月曜から「This is the way.」始まります。どうぞご贔屓にm(_ _)m

  • ここ数話どきどきしっぱなしです……!
    タルトたべてるふたりかわいいな、、選ぶタルトが各々に似合っているのもいいな、と^ ^
    LOST MEMORIES、チャールズとぱぷりちゃんが話しているシーンもそうなのですが、お茶やスイーツが毎度おしゃれですてきで……そこも楽しみに読んでます☆ミ

  • めめんとさん》
    ふたりとも大概ですよねえ。
    好きでかいております(笑)
    まだまだ懲りませんよ…。

    しゃちさん》
    ドキドキしてもらえるといいなと狙ってかいている部分もあるので、そういってもらえるととっても嬉しいです…!
    最近はぎゅうぎゅう詰めだったので、もうちょっと柔らかいこの空気感で参ります。
    飲み物やスイーツはおすすめのものもたくさん入れているので、ぜひぜひ。
    これからもお付き合いください(*^^*)