「デ、デートと言いますか、お話と言
「デート?」
蛇に睨まれた蛙というか、鷹に見入られた蛇というか。
「……はい。」
英人はあくまで上品に、手元のブルーベリータルトを一口サイズにフォークを入れたかと思えば、それを瑛瑠の前に差し出す。
それが何を意味するのかわからない瑛瑠ではない。
無表情とはタチが悪いぞ、イケメンヴァンパイア。
顔に熱が集まるのがわかる。たぶん、英人は引かない。渋れば渋るほど恥ずかしさは増すばかりだろう。
瑛瑠は覚悟を決める。
「い、いただきます。」
ちょっとだけ身を乗り出して、そのブルーベリータルトを食べる。恥ずかしさは最高潮。顔から火が出そうだ。
しかしそれも一変。
「このブルーベリー、最高に美味しいですね!」
弾けるような酸味と、それを包み込むような甘味が口内をくすぐる。
味覚の勝利だった。
英人は尚も表情を崩さないでいたのだが、瑛瑠がブルーベリータルトの魅力をかれでもかと嬉しそうに話すので、降参と言って、呆れたように微笑った。
「もう少し意識してくれてもいいんじゃないのか。」
「……何にです?」
PS》
誤字です。ブルーベリーの魅力をこれでもか!
失礼いたしました。