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This is the way. [prologue] 1



ーーケンティライム特別収容所ーー

「えらく真っ暗だな…」
「夜だからな…。流石に今灯りをつけると大騒ぎになるぞ」
「ああ、だろうな、この血の気の多い奴らめ…。何かと文句をつけて騒ぎたがるんだから。この間だってそうだ、いびきがうるさくて眠れないとかで真夜中に大騒ぎしやがった。救護班も大忙しだったらしい」
「全く…。俺たちにはどうしようもねえよ。"ヤツ"以外はそれこそ何かにつけて騒ぎたがる野郎共ばかりなんだから」
「"ヤツ"って……あの、No.2のことか?」
「そうだ。…しかしそのNo.2の眼つきだ、No.1さえ凌ぐ凄みでいやがる。一体何をしでかしたんだか、まあせいぜい看守の俺たちには知るよしもないがな」
「だが、あの歳でNo.2たあ、さぞえらいことをやらかしたんだろうな。いつここに来たんだ?」
「ん?ああ、そうか。お前さんは十日前にここに配属になったんだっけか。"ヤツ"は、そう、ちょうど今日から三ヶ月前にここに来たんだ」
「三ヶ月前…ってことはまさか、"ヤツ"があの……?!」
「シッ、声をあげるな。そう、例の件の主人公だと、俺たちは踏んでる」
「ううむ…」
「ま、俺たちには関係のない話さ。俺たちは俺たちの仕事をする。それだけだ」
「うん…。故郷に置いてきた息子がちょうど同じくらいの歳で…うわあっ!」
「おい、静かに…!どうしたんだ」
「こ、こいつ起きてやがる…」
「ん?ああ、夜回りは初めてか?No.2はいつも目を開けたまま寝るって有名な話だぜ」
「これ寝てんのか…。なんて野郎だ」
「さあ、見回りを続けるぞ。ほら、気が散って足音がでかくなってる」
「ああ、すまんすまん。ったくそれにしても上は何を考えてるんだ。夜回りのやつにくらい、こんな軍靴じゃなくてもっと足音のたたない靴を.........」





「.........。」

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  • 今後ともよろしく
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