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LOST MEMORIES ⅡCⅡⅩⅥ

「そ、そういうこと言うんだから……。」
こういうときのチャールズは、ただでさえ綺麗な顔が割り増しである。
「楽しかったもの。」
ここは自白である。
「良いお店だった。」
ぽつりとそんなことをこぼす。寝る前の挨拶ついでだったはずなのに、話し込んでしまっている。
瑛瑠は諦めて、チャールズの横へ腰かけた。
「チャールズも、あのお店知っていたの?」
あえて、チャールズも,と聞いてみる。正直に答えて欲しいから,という理由で幅を広げてあげたのは、瑛瑠の優しさだ。
「はい、知っていました。」
その優しさを汲み取り、チャールズは苦笑して答える。
「私、どこかで見かけたことがあるような気がするの。英人さんも同じ事を言っていた。」
チャールズの瞳を覗きこむ。
できれば、嘘はついてもらいたくない。
「彼女と会ったことがあるのかしら。」

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