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10月の最後の始まり

東から魑魅魍魎がやってくる

街は夜
濃紺に浮かぶおかしな色の月を背景に
統一感のない一団が騒ぎながら
てんでばらばらな足並みで西を目指して練り歩く

最初に見えたのは首のない旗手
動く死体、動く骸骨がガシャガシャと音を立てて歩き
魔女の笑い声が空からいくつも聞こえる
顔をホチキスで繋ぎとめたような男や
蝋燭の炎の目を持つかぼちゃが酒を酌み交わして騒いでいる
半透明の貴婦人が蝙蝠の紳士と腕を組む
まるで異界から来たような奇行

そんな不気味な、でもどこか楽しそうなその中に
いつもは純情なスカートも
今日は陽気で子供らしい、どこか意地悪な色をしているそれの君が
その移動するパーティーの中に混ざって
楽しそうにステップを踏んでいる
それはもう、目も当てられないほど様になっていなかったけれど

一夜限りのそのパレードも
朝になればこの街から出ていってしまう
その、祭りの後の感傷的な姿になる前に
今はこの雑然とした騒音に感覚を麻痺させて
君と一緒に、その奇妙な動きの踊りを一晩中踊っていよう。

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  • 表現が素敵!凄い!
    ハロウィンをこんな風に表現するなんて、、、
    カッコいいです!!!

    月影さんの書く詩、めっちゃ好きです!
    これからも素敵な詩をたくさん書いて下さい!