チャールズは、さも当然といった風に答える。
「彼女はただの人間ですから。」
どこから突っ込んでいいものか。
彼女を知っているとしかとれないその言葉を放った意図とは。瑛瑠からの質問不可避だと理解しての言葉であるのなら、なおその意図がわからない。
「えっと……。」
ただ、何を質問して良いものか、咄嗟に出てこない。ここで、混乱を招く言葉足らずで思わせ振りなことを言い放ったチャールズの意図を汲み取ってしまった。
何だか疲れがどっと押し寄せてきた。こうなってしまえば、考えられるものも考えられない。
とりあえず、喫茶店のお姉さんはただの人間で、瑛瑠がこれまでに会ったという事実はないのだそうだ。
「今度こそ、寝ます。」
覇気のない声でそう告げる。
チャールズはにこやかに、おやすみなさいと声をかけた。