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This is the way.[Ahnest]5

「これがそれだよ」
 そう言ってガルタはその封筒をアーネストに手渡した。いぶかしげに眺める。すると、その封筒の封印に気がついた。
「ガルタさん、この封印って......」
「ああ。王都の紋章だ」
「王都?!」
 永世トルフレア王国王都ケンティライム。世界で最も優れた街とされる。アーネストはトルフレアに来て三年あまりだが、まだケンティライムには行ったことがなかった。
「だからお前が、連行されるような何かやばい事でもしたんじゃないかと思ってだな...」
「余計なお世話です」
 とは言ったものの、一体何の件か全く覚えがない。アーネストは少し不安になってきた。僕の知らない間に何かとんでもないことをしでかしてやしないだろうか。まだトルフレアの法律はマスターしてないからな...。いや、そんなことはない。もしそうだったとしても、そんな大したことではない。しかし王都の兵が来たとなると...。
「とにかく、帰って読んでみることにします」
「ああ、そうするといい。気を付けろよ」
「はい。ありがとうございます。」
 
不安と若干の好奇心を手に、アーネストは下宿へ帰った。この手紙が、彼の運命を大きく変えることになるとは、彼に知るよしもなかった。

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