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LOST MEMORIES ⅡCⅢⅩⅢ

「どうしてそういう話になったのかも気になるし、妙に訳知り顔な望も気になるし、英人くんのはしょりすぎな説明も気になるのは私だけなの?」
たしかに、自分のおかれた状況が歌名の立場なら、どれほど理解不能だろうか。
「ちゃんと説明するから、今はご飯食べません?
みんなまったく進んでいませんよ。」
瑛瑠が苦笑して呼び掛けると、それぞれ顔を見合わせて思わず笑みをこぼす。瑛瑠は、この前も歌名と昼食を逃した。今日は休み時間内にちゃんと食べたい。
机を動かすまでもなく、向かい合うでもなく、顔だけ見えれば良い。そんな感じで、やっと4人の昼食が始まった。

「ところでさ。」
歌名が口にトマトを放り込む。
「私たち、情報がほぼない状態で送り込まれたのは同条件だと思うの。」
いきなりの展開に、疑問の面持ちのままとりあえず頷く。
「プロジェクト?って英人くんは言ってたけど、仮にそれが本当だとしても、建前上イニシエーションなわけで。
現時点で言われてるのは視察と情報共有だけ。……だよね?
それって、緊急性は低いってことじゃないのかな。」

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