吐く息が白くなりはじめた夜。
いつものように月明かりと散歩。
ポケットには100円玉と
切れたミサンガ。
世界の難しさが、
人の恐ろしさが、
心に蓋をして、
箱に隠す。
いつもの自販機と
いつもの公園。
同じいつもなのに、
同じいつもでないのはなぜ?
押し間違えたのか、気を間違えたのか、
あったかい微糖のコーヒーも
白い吐息を漏らす。
同じいつもなのに、
同じいつもでない。
微かな糖分が、
僕の心を
社会という立方体の檻から
ふわっと浮かせる。