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立方体の夜

僕らは今日も

立方体の夜に閉じ込められ

やみくもに出口を探す

平行

直角

正解はただひとつと

几帳面に夜を区切った君は

妖美な口元を歪める

単純な立方体さ

それなのに

どこにも出口が見つからないの

君はふと

温かい缶コーヒーをひっくり返して

焦げ茶の液体を床に流す

夜に溶けた

芳ばしい

懐かしい匂いを

真っ白に立った湯気は

あっという間に消え失せて

冷たい冷たい

ただの液体

それが床を伝う様を

僕はただただ眺めるだけ

君はまた

妖しい微笑みを僕に向け

缶さえも投げ捨てる

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