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LOST MEMORIES~番外編Ⅲ~

放課後の教室。机に、コトンとあったかい缶コーヒーが置かれた。
「休憩しましょう。お疲れ様です。」
凄まじい勢いで動かしていたペンを一旦置いた英人は、瑛瑠を見上げた。
「お砂糖は要りませんでしたよね。」
そう言って瑛瑠は向かいに座る。『Dandelion』で注文したコーヒーには、砂糖は入れなかったから、そのことを言っているのだろう。
ありがとう。そう微笑んだ英人は、コーヒーに口をつける。瑛瑠も同じものを手にしている。聞けば、瑛瑠も砂糖は使わないと言う。しかし、続きがあった。
「ただ、角砂糖なら入れたくなります。」
「……何故?」
「魅力的な形じゃないですか。立方体って美しいと思いません?」
英人は呆れたように笑った。広げている数学の問題集に目をやる。瑛瑠が数学が得意だということで、教えを乞うていたのだ。別段、数学が不得手というわけでもないのだが、始業早々のテストで点数負けをしたことの悔しさから、こうした待ち時間に付き合ってもらっていた。
瑛瑠の言葉を思い、改めて苦笑する。自分が好きな分野が文学や哲学だから、数学好きはどうにも理解できない。
「待っててくれたの!?遅くなってごめんね!」
教室に飛び込んできた望と歌名。今日はいつもより会議が長引いたようで、外もだいぶ暗くなり、夜が顔を見せ始めている。
缶コーヒーはまだ温かかった。

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  • おおっ!!
    角砂糖!!
    それは思いつかなかった!!!
    すっごい自然!!
    私は、まだ考え中で…
    お題が難しいです…
    頑張って授業中に考えよう笑

  • 文学や哲学は大好きだけど、数学も好きだよ(またどうでもいい話)苦手だけどね

    俺も数学教えてほしい。

  • りんちゃん》
    私も全然思い浮かばなくてね(笑)
    ひらめいたときは天才かと思った。笑
    楽しいよね、三題噺。

    めめんとさん》
    私はね、苦手なの。数学が本当にできない完全なる文系(笑)理科科目も、計算が絡むとさっぱり。
    語学が一番好きなの。でも、英人くん語学って感じじゃないし、高校一年生はまだ好きな分野は大きい幅の方がいいかと思って、ざっくりね笑
    文系男子と理系女子って良くないですか()
    たぶん1番成績良いのは望くん。
    瑛瑠ちゃんと英人くんは互角なんだけど、英人くんは総合取りで瑛瑠ちゃんは数学強い。歌名ちゃんは暗記得意なイメージ。
    こういうのあると面白いよね(個人的に面白いと思います笑)。