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LOST MEMORIES ⅡCⅢⅩⅥ

軽やかなベルと、鈴を転がしたような声に迎え入れられた瑛瑠は、今日はお一人様だ。
「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ。」
可愛い笑顔を携えた彼女を見るのは、これで2回目となる。瑛瑠は、カウンター席を選ぶ。今日は、目的があって来たのだ。
「今日はひとりなのかな?」
水を置きながら聞いてくれる店員のお姉さん。
「前に来たの、覚えててくださったんですか。」
少々の驚きを滲ませて聞くと、もちろんと返された。
「職業柄、お客さんの顔は覚えちゃうのよ。小さい喫茶店だしね。」
カウンター内へ戻るお姉さんと、今度は向かい合わせになる。
「どうして私がひとりだと……?」
「あら、違ったかしら。」
ゆるゆると首を振ると、店員の勘よとウインクが送られた。
フレンドリーで素敵なお姉さんだ。
瑛瑠は、息を吸う。
「ホットコーヒーをひとつお願いします。
――少しお話を伺ってもいいでしょうか。今日は、そのために来たんです。」

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