また…また来てしまった。
懐かしの公園。
小さい頃は皆んなとここでよく遊んだものだ。
覚えてる?小4の頃、皆んなでかくれんぼしてた時のこと。
僕が皆んなを探している時見つけた、捨てられていた、沢山のおんぼろのオモチャ。
角が欠けている積み木。タイヤの取れたミニカー。耳が千切れているテディベア。
沢山あったから、何かの縁だと思って皆んな、1人1つずつ何かしら貰っていった。
僕が貰ったのは、1の目が消えかけているサイコロだった。
その日から皆んなでサイコロを使っていろんな賭けをした。
お菓子、カード、好きな人…
ついには、親の稼いだ金…
いつからだろう。こんなにも関係が崩れて行ったのは。
あの子がスリルが欲しいって言ったからか?
あいつが金足りないって言い出したからか?
て、もしかして、あの時おもちゃを見つけてしまった僕の所為?
いつから、こんなに変わっちまったのだろう…
結局は皆んな引越しだの、中学が違うだの、何だかんだあって、会わなくなった。
それでも、この地に残った俺は、15年たった今も、無意識のうちにこの公園に来てしまう。
あのサイコロを持って。
夜の公園は虚しく寒い。
自販機で買ったあったかい缶コーヒーを口にする。
あー、あの頃、皆んなでふざけて飲めもしないコーヒーを買って呻きながら飲んだっけ…
今だと普通に飲めちまう。
大人になったな、、、
今、あいつらに会ったら普通に話せるだろうか。
和解できるだろうか。
よし。賭けてみよう。
この汚れた小さな立方体を使って。