手紙には、こんなことが書いてあった。
『アーネスト・イナイグム・アレフ殿
陛下の謁見望まれる故
疾く疾く冬宮まで来るべし。
ルーガル・トルフレア二世側近
アズマルディ・ユン』
以上。
..............................なんじゃこら。
用件もわからない。ただ王が会いたいそうだ。僕に?ただのしがない留学生の、僕に?わからない。留学試験の時に「王室枠」というものがあるらしいとは聞いたが、三年近くたってしまった今さらそんなことは考えられない。
それとも国王の気まぐれだろうか。そうだとしたらかなりの傍迷惑なんだが。まあ王命なんだろう、行かねばならんだろうか。とりあえずライネンさんに相談するか。
そんなことを考えていると、飯できたぞー、というライネンの声。呼ばれてアーネストは腰かけていたベッドから立ち上がり、手紙を手に階下へと降りた。