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LOST MEMORIES ⅡCⅣⅩⅠ

『Dandelion』は、この地域でずっと続いている喫茶店だと花から聞き、それについて帰路につきながら思い出す。英人の付き人の紹介で知ったこの喫茶店。チャールズも知っていたようだったから、以前からあったのだろうことは想像はできるけれど、もしかしたら思っているよりずっと前からあるのかもしれなかった。
さて、この思考の中で登場してきた英人を、少し離れた通りに見つける。どうやらひとりのようで。
そういえば、今日瑛瑠がひとりで『Dandelion』に来たのは、見事に友人3人に振られたことによるのだ。
英人は、ファッションビル前の入り口横の壁に寄りかかり、腕組みしていた。誰かを待っているのだろうか。
瑛瑠は、遠目から見えた英人の表情に、咄嗟に身を隠す。そして、自分の行動に驚いた。なぜ、隠れたのだろう。
瑛瑠は思う。見てはいけないような気がしたのだ。女の子といたから。
かぶりを振り、思考をかなぐり捨て、今は英人に見つからないことだけを祈ってきびすを返した。

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  • 私もリクエストしたらかいてもらえるかしら。
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