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This is the way.[Ahnest]11

サザンカの月第三日。
一年も終わりに近づくと、「年の日」を祝うためにトルフレア人が各地から帰ってくる。そのためか、ソルコムは人で溢れかえる。もちろん、ケンティライムに向かう人も大勢だ。そんな帰国者たちのお陰で、不運にもアーネストは自分の足でケンティライムに向かわねばならなくなった。貸馬屋で馬を借りようとしても、この先20日間予約みっしりだ、わっはっは!と言って大笑いで帰された。あそこまでほくほく顔の貸馬屋は見たことがなかった。
そして、ラルシャル大通りライネン宅前。
「今行くことはないんじゃないの?もう少し暖かくなるのを待った方が......」奥さんのエナは途中で食べるようにと焼いてくれたレンコン入りのミートパイを渡しながら言った。
「うーん、国王さんも早く来てくれって手紙に書いてたしね。それに、王都での『年の日』の祭りはすごいって聞いたし、一度見てみたいと思ってたんだ」
アーネストがそういうと、エナは寂しそうな顔をして言った。「そう......今年は『年の日』を一緒に過ごせないのね......」
「そんな顔しないでくださいよ、奥さん。今生の別れじゃないんだから」
「いや、案外そうかも知らんぞ」ライネンが低い声で言った。「ダルケニアは雪国だからってトルフレアの冬をなめてかかってるんだろうが、あの山脈を足で越えようと思ったら、相当な覚悟は必要だぞ。まして真冬なんぞは生きて帰れんかも知らんな」
ライネンがそう言うと、エナは顔を歪め、今にも泣き出しそうだ。
「ちょ、ちょっと!ライネンさん脅かさないでくださいよ。奥さんもほら、泣かないでったら」
ニヤニヤしているライネンに顔をしかめて見せながら、アーネストは言った。

  • This is the way.
  • 読み返してみたら展開速すぎたねこれ
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