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かぐや姫

こんな明るい満月の夜は

必ずあなたを思い出すのです

かぐや姫

あなたは今

どうしているでしょうか

あの後幸せになったでしょうか

あちらの世界はどのようなものでしょうか

私のことを覚えているでしょうか


かぐや姫

きっとあなたは

たったひとりの私のことなど

覚えていないのでしょう


かぐや姫

あなたは新月の夜

何を思うのでしょう

私のことを覚えていなくても

きっとまた麗しい眉を歪めて

もの思いにふけっているのでしょう


嗚呼かぐや姫

こちらは満月が綺麗に見えます

あの満月に

どうにもあなたを重ねてしまう


あなたの置き土産を焚いた煙は

そちらからは見えましたか


こんなに澄んだ夜は

もしかしたらあの月に

あなたの姿が見られないかなんて

馬鹿げたことを

どうしても考えてしまうのです



  • リクエスト
  • 「満月」と「新月」、対義語で良いでしょうか……
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  • 素晴らしいです(拍手喝采)。
    そうなんです、こういうことなんです!
    相変わらず鷹尾ちゃんの詩は好きですし、こういう言葉を紡げるのも素敵。

    このリクエストを投げる上で、個人的に様々な対義語をあげていったんです。
    そのなかで、太陽と月くらいなら出てくるかと思ったのですが、まさか満月と新月でくるとは。
    制約にとらわれず、詩としての完成度の高さも目を見張るものがあると思います。
    かぐや姫、いいテーマですね。嗚呼や焚くといった言葉は世界観に引き込まれます。
    素敵な作品をどうもありがとう(*^^*)