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LOST MEMORIES~愛の定義編~

歌名は、僅かに頬を赤らめる。
「そこまで言ったことなかったよね。
はじめはって……今はどきどきしないの?」
歌名の問いに、少し考える望。
「しないわけじゃないけれど、独占したいと思っていたんだ。ぼくの横で笑っていてほしかった。
……今は、ただ笑ってくれればいいかな。真剣に想いを伝えれば伝えるほど、彼女は困る。困ったように笑ってはほしくない。」
止まっていた手を動かす。言葉にして初めて、自分の想いや考えを再認識する。
「それは、愛なの?」
「……どうだろう、たぶん愛になるにはまだ何かが足りないと思うよ。やっぱり、ぼくの横で笑っていてほしいと思うし、霧と仲良く話すのを見て妬くくらいにはまだまだ恋だろうし。
……ただ、それ以上に四人の時間や関係が好きなんだ。これを、壊したくない。」
望は歌名を見つめる。
「ぼくが壊してはいけないし、みんな壊さないと信頼してくれている。もちろん、ぼくもみんながそういうことをしないと信頼している。だとすれば、みんなとの時間や関係に対する想いは愛かもしれないね。」
歌名は一通り聞いて、長テーブルに突っ伏す。
「なんで私の周りはそういうことを恥ずかしげもなく……!」
私もみんなのこと大好きだよと、消え入りそうに紡がれた言葉は、穏やかな空間に吸い込まれた。

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  • PS》
    望くんの瑛瑠ちゃんへの想いをただの恋ではないことを描きたかったのですが、愛というにはまだ幼く、恋と愛の淡いみたいな感情になってしまいました。いや、そういうことなのですが。

    ちなみに、恋は和語ですが、愛は輸入語なんですよね。たしか江戸時代かな。
    だから、愛はわりかし最近現れた言葉なんです。「思う(想う)」や「慕う」という方が、性に合っている気がします。
    愛に信頼は必須という私の考えを挿入したくて、結果友愛で締めました。
    愛は恋よりずっと広い意味で使われていることを伝えたい。そう思ってのこの文章でした。

  • ご参加ありがとうございます
    恋編と愛編、楽しく読ませていただきました。
    大きなピースとして「信頼」がありましたが、なるほど確かにと一人納得していました。僕一人で悩んでいたら出てこないキーワードで、盲点でしたね。相手の態度や行動にいい意味でも悪い意味でも振り回されてしまうのが恋で、そこに信頼が入ってくると愛になると。
    解釈違ってたら申し訳ない限りですが、妙に納得です。
    そうだとしたら長い時間が必要ですね。信頼って一日にしてなりませんし。

    ロスメモと訳させてもらってますが、いいですね。この四人。こんなグループ学校にいたら思わず観察してしまいそうです。見てるだけで幸せを貰えそう。
    実は最初の方は読んでいて途中で挫折した人間なのですが、今度最初から読んでみようと思います。追いついたらレスも送りたいです。

    長文失礼。連載以下、楽しみにしてます。

  • fLactorさん》
    長文レス大歓迎です。読んでくださり、ありがとうございます。たいそう考えさせられ、文章をまとめていてとても楽しかったです。
    解釈違いなんてとんでもない。合っています。
    ですから、愛は簡単に作りあげられるものではないと思うんですよね。
    納得だなんて、嬉しいです。

    ロスメモでいいです。笑
    ふふ、ありがとうございます。今回は望くんと歌名ちゃんを番外編に出演させてみました。
    私は、詩よりも物語にした方が想いや考えを伝えやすいので、他の方とは違った描き方になってしまい、結果長い文章となることが多々。2編を最後まで読んでくださって本当にありがとうございます(笑)
    本編も、お時間あるときにたまに見に来てくれると私が喜びます笑
    改めて、レスありがとうございました。