ムンキーな気分だったので会社を休んだ。嫌味を言われたが平気だ。なぜなら上司は社会制度、社会的慣習に従順な権威に弱い自分の頭でものを考えられない他者の心を想像することができないモンキーだから。
わたしはモンキーではない。人間には好きに休みを取る権利がある。このところ、疲労により、脳の一部しかはたらかなくなっていたのだ。脳の一部しかはたらかないとどうなるか、視野狭窄になる。
人間は脳の機能低下により神経が過敏になったり、感受性が鋭くなったりする。情動脳の抑制がゆるくなるため、情動脳にたくわえられた記憶にアクセスしやすくなる。遠いむかしのことをくよくよしたり。いつまでも嫌味を言われたことを気に病んだり。
すべての精神疾患は脳の一部だけが活性化することによって生じる。脳全体が活性化しなければ精神疾患は治らない。仕事とは常に距離をとっていたい。でないと本格的に頭がおかしくなってしまう。そろそろスーパーが開く時間。ビールと、韓国海苔と、チーズとキムチを買おう。今日は一日、動画を見るのだ。
スーパー行ってついでに日用品買って帰ってタブレット、テーブルに立ててとりあえず旅番組チョイスしてソファーに座って韓国海苔でカマンベールチーズ巻いて食べてたら悪魔が現れた。わたしの母の姿で。
「お母さんだよ〜」
「さっさと消えてください。わたしは動画を見るのです」
「そんなだから彼氏ができないのよ。同僚の男の子とLINEの交換とかしてるのかしら。してるわよね。ほらあなたにしつこく言い寄ってきてるあの人、何ていう人だったかしら。とりあえずチャットでもしてみたら?」
「……わたしは暇つぶしに好きでもない男の人とチャットするような志の低い人間ではないので。ではさよなうなら」
「あなた会社休みすぎなんじゃないの〜」
「わたしは奴隷ではありません。日本人は先進国の住民であるにもかかわらず、主体性がないのです。わたしはわたし。わたしのことはわたしが決めます。そもそもあなたはわたしにアドバイスできるような就労経験などないでしょう」
つい本当の母には言えないことを言ってしまう。
わたしの母は幸せである。なぜなら向上心がないからである。向上心がないのは足りないからである。
向上心があるから人は病む。母は病まない。
ムンキーは画家のムンクに由来する造語です。深い意味はありません。
おお。そうですそうですそんな感じのを待ってたカモン!(ノ゚ー゚)ノ
あんまり「ムンキー」に触れてないのは少し残念ですが...。全体的なまとまりと言い、引き付けるような畳み掛けの言葉の羅列と言い、俺の好みばかり(すごい個人的)
とにかく、ご参加ありがとうございましたm(_ _)m
主人公の台詞の言い回しが好きです。