手の平をじっと見る君に、隣にいた僕はどうしたのと声をかける。
届かなかったと、少しして小さく呟く君の髪を、くしゃくしゃとかき混ぜた。
距たるものも無く、どうしたのと笑う君と、零距離で目が合って少し戸惑い、またちょっと黙る。
にじりよる黒い影。
君の温度が感じられない。灰色の儘残った影だけが、君のくれた青いカーネーションの花だけが、いたいけなその瞳の色を映しているようで。
なきじゃくって濡れた君の笑顔が、
いまはただ、カーネーションを枯らしていく。
青いカーネーション。花言葉は「永遠の幸福」。