幼い頃は何も思わないで眺められたあの三日月。
今ではとても憎くて仕方ない。
なんでそんなに満ち足りた様に光っているんだよ。
…なんて……ごめんな。お前に何も罪はないのに。
でも、羨ましいよ。何も言われずに、時間に任せていられるだけなんてさ。
俺は、今にしがみ付いて行くのにしんどくて仕方ない。
嗚呼、お前みたいになりたいよ。
歩いていれば付いて来る。雲隠れして暗くなる。
なに?俺がこんなんだから慰めようと同情してくれてんの?
……はあ、俺って本当、なんなんだろう。
今さっきまでクリアに見えていた景色が、ぼやけていく。
自分の黒いプライドの宝石がお前の光がかすかに当たって、原石になって落ちていく。
ありがとう。一人にしてくれなくて。
贅沢かもしれないけど、これからも、側で俺を見ていてくれないか?
………なんてな。