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LOST MEMORIES ⅡCⅤⅩⅥ

瑛瑠が勘違いをしたように。
「さっきは、本当にすみませんでした。」
瑛瑠も、ぽつりと言葉を置く。
大丈夫、紡ぐことは出来る。
「英人さんを、ただの共有者だなんて、思ってはいないです。……酷いことを、言いました。本当に、すみませんでした。」
横に並んでくれていて良かったと思う。今の瑛瑠に、英人の顔なんて見ることはできないから。
すると、ごめんと横から返される。
「手荒な真似をした。」
瑛瑠は少し吹き出す。そこかと笑えてきたのだ。確かに、力だだ漏れ状態で引っ張られた。
英人がそんなことを言うから、それに乗っかることにした瑛瑠。
「痛かったです。痕になって残ってしまうかも。」
腕を擦りながら言う瑛瑠に、英人は目を見開く。
もう、大丈夫。だからまた、元の関係に戻りましょう。
言外の言葉を感じ取り、英人は微笑った。
「僕からの愛だと思ってくれ。」
瑛瑠も微笑む。
「重すぎる男性は嫌がられますよ。」
平行線が、少しだけ傾いたお話。

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