暑いくらいに暖房が効いた部屋で
じっくり赤ワインを煮詰めるように
ひとり馬鹿みたいな夜
今夜も僕はひとりぼっちさ
君が死んだあの日から
忘れられた僕はひとり
暑い
熱い
眩暈がするほどに熱い真夜中
うるさい秒針にそっと口づけて
唇の冷たく硬い感覚に幻滅した
馬鹿みたい
部屋にこもった酒の匂い
足取りも覚束無いまま夜空を見る
どうにでもなればいいさ
高速道路の騒音も
小鳥の囀ずりも
新しい朝も
みんな僕を忘れてゆくから
闇夜の棘に突き刺して
赤ワインみたいな血を流す人差し指
そっと煙草をふかしては
手の甲に擦り付けて